macOSのサービス管理方式
macOSシステムでバックグラウンドサービスを管理する標準的な方法は、launchdとLaunchAgentを使用することです。Linuxのsystemdと同様に、launchdはmacOSのシステムサービスマネージャーであり、LaunchAgentは現在のユーザーレベルのバックグラウンドプロセスを管理する専用ツールです。OpenClawはAIエージェントゲートウェイとして継続的に稼働し、WhatsApp、Telegram、Discordなどのチャットプラットフォームからのメッセージを受信する必要があるため、LaunchAgentデーモンとして設定するのがmacOSでのベストプラクティスです。
自動インストール方式
OpenClawにはデーモンのワンクリックインストールコマンドが用意されています。macOSでは自動的にLaunchAgent設定を作成します。
openclaw onboard --install-daemon
実行後、OpenClawは自動的に ~/Library/LaunchAgents/ ディレクトリにplist設定ファイルを作成します。以下のコマンドでインストールが成功したか確認できます。
launchctl list | grep openclaw
出力にopenclawの関連エントリが表示されれば、デーモンの設定は完了です。自動インストールが機能しない場合や設定をカスタマイズしたい場合は、手動設定のセクションをお読みください。
前提条件
手動設定を始める前に、以下の条件を確認してください。
- macOSシステム(Ventura 13以上をサポート)
- Node.js 22以上がインストール済み(Bunは使用しないでください。WhatsAppやTelegramの接続処理に既知のバグがあります)
npm install -g openclaw@latestでOpenClawがインストール済みopenclaw onboardで初期設定が完了済み
OpenClawが正常に動作することを確認します。
openclaw --version
openclaw doctor
LaunchAgent設定ファイルの作成
LaunchAgentの設定ファイルはXML形式のplistファイルで、~/Library/LaunchAgents/ ディレクトリに配置します。
まずOpenClawのインストールパスを確認します。
which openclaw
一般的なパスは /usr/local/bin/openclaw または /opt/homebrew/bin/openclaw です。このパスを控えてください。
plistファイルを作成します。
nano ~/Library/LaunchAgents/com.openclaw.agent.plist
以下の内容を記述します。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<!DOCTYPE plist PUBLIC "-//Apple//DTD PLIST 1.0//EN" "http://www.apple.com/DTDs/PropertyList-1.0.dtd">
<plist version="1.0">
<dict>
<key>Label</key>
<string>com.openclaw.agent</string>
<key>ProgramArguments</key>
<array>
<string>/usr/local/bin/openclaw</string>
<string>start</string>
</array>
<key>RunAtLoad</key>
<true/>
<key>KeepAlive</key>
<dict>
<key>SuccessfulExit</key>
<false/>
<key>NetworkState</key>
<true/>
</dict>
<key>ThrottleInterval</key>
<integer>5</integer>
<key>EnvironmentVariables</key>
<dict>
<key>PATH</key>
<string>/usr/local/bin:/opt/homebrew/bin:/usr/bin:/bin</string>
<key>NODE_ENV</key>
<string>production</string>
</dict>
<key>StandardOutPath</key>
<string>/tmp/openclaw.stdout.log</string>
<key>StandardErrorPath</key>
<string>/tmp/openclaw.stderr.log</string>
<key>ProcessType</key>
<string>Background</string>
</dict>
</plist>
/usr/local/bin/openclaw を実際のOpenClawパスに置き換えてください。HomebrewでインストールしたNode.jsを使用している場合、パスは /opt/homebrew/bin/openclaw になることがあります。
設定の説明
- Label:サービスの一意識別子。逆ドメイン名形式を使用
- RunAtLoad:trueに設定するとユーザーログイン時に自動起動
- KeepAlive:自動再起動ポリシーの設定。
SuccessfulExitがfalseの場合は異常終了時に自動再起動、NetworkStateがtrueの場合はネットワーク利用可能時のみ実行 - ThrottleInterval:クラッシュ後の最小再起動間隔(秒)。頻繁な再起動を防止
- EnvironmentVariables:PATHにNode.jsとOpenClawのパスを含めることを確認
- ProcessType:バックグラウンドプロセスとしてマーク。macOSがリソースのスケジューリングを最適化
サービスの読み込みと管理
サービスの読み込み
launchctl load ~/Library/LaunchAgents/com.openclaw.agent.plist
サービスの起動
launchctl start com.openclaw.agent
サービス状態の確認
launchctl list | grep openclaw
出力の最初の列がPID(プロセスID)で、0でなければサービスが実行中です。2列目は終了ステータスコードで、0は正常を示します。
サービスの停止
launchctl stop com.openclaw.agent
サービスのアンロード
launchctl unload ~/Library/LaunchAgents/com.openclaw.agent.plist
ログの確認
OpenClawの標準出力とエラーログは設定したパスに保存されます。
tail -f /tmp/openclaw.stdout.log
tail -f /tmp/openclaw.stderr.log
ログをより永続的な場所に保存したい場合は、plistの StandardOutPath と StandardErrorPath を以下のように変更します。
<key>StandardOutPath</key>
<string>/Users/あなたのユーザー名/.openclaw/logs/stdout.log</string>
<key>StandardErrorPath</key>
<string>/Users/あなたのユーザー名/.openclaw/logs/stderr.log</string>
ログディレクトリを先に作成してください。
mkdir -p ~/.openclaw/logs
設定変更後の再読み込み
plistファイルやOpenClawの設定ファイル ~/.openclaw/openclaw.json を変更した後は、サービスを再読み込みする必要があります。
launchctl unload ~/Library/LaunchAgents/com.openclaw.agent.plist
launchctl load ~/Library/LaunchAgents/com.openclaw.agent.plist
管理パネルへのアクセス
サービス稼働後、ブラウザからOpenClawの管理パネルにアクセスできます。
openclaw dashboard
または、ブラウザで直接 http://localhost:3000 を開きます。
トラブルシューティング
サービスが起動しない場合は、以下の手順で調査してください。
- plistの構文チェック:
plutil -lint ~/Library/LaunchAgents/com.openclaw.agent.plist - システムログの確認:
log show --predicate 'senderImagePath CONTAINS "openclaw"' --last 5m - エラーログの確認:
cat /tmp/openclaw.stderr.log - 手動実行テスト:
openclaw startを実行してエラーがないか確認 - パスの正確性確認:plistの
ProgramArgumentsパスが実際のopenclawの実行ファイルを指していることを確認 - 診断の実行:
openclaw doctor
よくある問題には、PATH環境変数にNode.jsのパスが含まれていない、ファイル権限が正しくない、ポート3000が他のアプリケーションに占有されているなどがあります。
まとめ
LaunchAgentでOpenClawデーモンを管理することで、macOS上でLinuxのsystemdと同様のサービス管理体験を実現できます:ログイン時自動起動、クラッシュ時の自動復旧、ログの集中管理。これにより、OpenClaw AIエージェントゲートウェイを24時間365日安定稼働させ、チャットプラットフォームからのメッセージを逃さないようにできます。